32歳7ヶ月で入段した、韓国の女流・都恩敎(ト・ウンギョ)。
入段は10代が当たり前の囲碁界で、奇跡と言われています。
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画像:サイバーオロ 都恩敎(ト・ウンギョ)初段

総合囲碁サイト・オロ(ORO)に、彼女の赤裸々なインタビューが掲載されていたので、抜粋・要約しました。

都恩敎(ト・ウンギョ)経歴
1985年 三姉妹の末っ子として生まれる
1997年 世界女子アマ囲碁選手権優勝 小学3年(12歳)
同年    韓国アマチュア女子国手
1999年 入段失敗(14歳)
2000年 韓国アマチュア女子国手(15歳)
      この年、当然にプロ試験に合格するものと思われていました。

――15歳で囲碁界を去ったのは?
母が、常に私の学業を願っていた。
囲碁を学ぶためには、とてもお金が必要です。囲碁道場に通いたかったが、経済的にできなかった。

――その後は?
延世大学(数学科)に進み、卒業後、金融大手に入社した。
毎朝7:30に出社して夜遅くまで働き、週末は疲れていつも寝てばかり。
次第に自分が無くなっていった。
そんな折、囲碁を学んでいた頃の幸せな記憶が思い出された。

――2014年、14年ぶり、28歳で囲碁界に復帰したのは?
プロ棋士になりたくて帰ってきた。
1年目、テレビ放送活動(囲碁の聞き手役)を一生懸命していたら、囲碁を勉強する時間が不足した。
自分の存在が知られすぎていて、色眼鏡で見られるのがつらかった。
2年目、韓国にいると囲碁の勉強ができないと思い、台湾に行きました。
この2年間で感じたのは、何故こんなに弱くなったのか、ひどいのか。
10代と競争するのもつらかった。

――復帰4年、入段試合の経過は?
午前中の対局に負け、入段合格が午後の最終局にもつれ込み、精神的に追い詰められた。
死に物狂いで戦った。
勝った後も、あまりに疲れていたので、喜びを感じる体力もなかった。
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画像:サイバーオロ 3月14日、ユ・チャンヒョッ韓国棋院・事務総長から認定状を受けるト・ウンギョ
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画像:サイバーオロ 新初段の女子三人

オロ(ORO)インタビューの最後の言葉は、直訳で。

――どのようなプロ棋士になりたいか?
実力を認められる棋士になりたい。
状況が許す限り、つまり結婚して、子供を産んで、育てる忙しい状況がくる前までは、力いっぱい棋力を引き上げたい。
プロ棋士は、幼い時の勉強が一生を左右するので、私には埋められないハンディがある。
自分を捜しに囲碁界に帰ってきた。
大会優勝も狙います。

取材記者:トン・ガンスン、チェ・シンスン