公民館の碁会に興味がありました。
町の碁会所の客が少なくなったのは、公民館とネット碁のせいだ、という話をよく聞きます。
どういうものなのか、のぞかせて頂きました。
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榊原信久さん

2月中旬の土曜日、JR東所沢駅で『東所沢囲碁クラブ』会長・榊原信久さんと待合わせです。
乗用車に乗せて頂き、これから埼玉県所沢市の『柳瀬公民館』に向かいます。
距離は2km弱。
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午後1時、榊原さん、公民館に着くと入口を入って左の事務所に今日の使用料300円を支払います。
利用室に入り、テーブルと椅子をセッティングすると、碁盤碁石を取りに行きます。

「今日はどのくらい集まるんですか?」
「さ~、分かりません(笑)」
――榊原さん、ほがらかです
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土曜日の午後、お集まりになったのは7名。
皆さん利用室に入ってくると、ご自分の成績カードを捜し出し、すぐに対局開始です。

――天気の話や、世間話もしないのですね・・・

榊原さんにいろいろお訊ねしました。

「そもそも、どういう経緯でこの会ができたのですか?」
「この周辺は東所沢一丁目から三丁目でして、昔から、碁の好きな方たちが地域の『集会場』で碁を打っていました。
 25年ほど前、この公民館ができたので、集会場からここに移ってきました」

「多い時は30人以上集まりましたね。にぎやかでした」
「今は、他と同じく会員が減りました。15名ほどです」
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2011年 東所沢囲碁クラブ 囲碁合宿

「以前、温泉で囲碁合宿(当ブログ、2011年10月・第2回囲碁合宿)を取材させていただきました」
「そ~、新宿から専門家を呼んで、温泉に入って、指導碁を打ってもらった」
「皆さん、お元気ですか?」
「あの合宿に行った中では、3人が亡くなりました。
 他にも、会員だった方で体調を崩されている方が多いです」

「会の運営、経費はどうなっているのですか?」
「年会費、4000円を頂いています。
 これで、土日の、年間100回ほどの利用料やその他の経費に充てています」
「出納は榊原さんがしているの?」
「いえいえ、悪さが出来ないように会計がいます」

「所沢市では、公民館の囲碁サークル同士の対抗戦がありましたね」
「ええ、あります。
 13ある公民館の内、8か所に囲碁サークルがあります。
 対抗戦をやろう! と始めた頃(20年前)は、1チーム12名でした。
 幹事持ち回りで、苦労が多かったけど楽しかった。
 今は人が集まらず、去年から1チーム6名になりました」
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所沢市囲碁連盟の会報

「各囲碁サークルとも幹事持ち回りが負担になり、今は『所沢市囲碁連盟』が幹事を引き受けてくれています。
 幹事、大変ですからね、助かっています」

インタビューの間、会員の皆さん、黙々と碁に集中しています。

取材が終わって――
公民館と碁会所の客は、そもそもバッティングしていなかったのではないか、と思われました。

公民館の碁会は、ふらっと行って、入場料100円くらい払えばいいのかと思っていましたが、違うのですね。
知りませんでした。

ともあれ公民館、碁会所ともに、会員、お客さんの高齢化と減少という共通の問題に直面しているようです。