正月初日の碁会所の様子はどうなのか、有名碁会所を回ってみました。
1月2日。
この日は、『下北沢囲碁会館』の打ち初め日です。
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駅から、下北沢囲碁会館までの道順は――
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下北沢駅。小田急線は東口、京王線は中央口を出て、右に回り込みます。
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駅前の“下北沢南口商店街”のアーケイドをくぐり、ゆるい下り坂を進みます。
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広場のような通りに出ると、右手の“餃子の王将”の二階が、下北沢囲碁会館。
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午後2時。
店内には、お客さんがたくさんいらっしゃいます。
受付や客席の配置など、昔のままです。

席亭の江澤俊彦さんが、忙しそうです。

「江澤さん、ご無沙汰しております」
「いや~、ごんさん、久しぶり~」
そう、8~9年振りです。
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正月2日なのに、よくお客さんがきています。

「お客さんは、8割がた戻ってきました」
「それは良かったですね。
 江澤さん、碁会所の運営に熱心でしたから。
 客は、席亭を観ているもんです」
「いえ、席亭より、お客さんに恵まれたことの方が大きい」
「土地柄?
 この辺り(世田谷区)は、上品な人が多いですか?」
「ええ」

「先代の山口さん(故人)から引き継ぎ、何年ですか?」
「13年目、ですかね」
「江澤さん、始めは乗り気でなかった(笑)」
「そうですよ~。始めは断ったぐらいです。
 でも、収入はそんなにないけれど、やってみたら良い仕事です」

――広い意味で、彼、”運営”するのが好きなようです
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10年前の江澤さん
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現在の江澤俊彦さん、60歳、東京都品川区出身、明治大学囲碁部。

江澤さん、
沢木耕太郎の『深夜特急』よろしく、元バックパッカーでした。
――羨ましいです

半年間、日本で働いては(日本棋院でアルバイトなど)海外旅行。
その内ハマったのが、インド。
インドに半年。
インド“カレー”が彼を虜にしました。

元バックパッカーが碁会所経営とは、よく身を固めました。


室内は、石音は低く、大きな声を出す客もいません。
穏やかな時間が流れていきます。

手空きのお客さんがいました。
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小林保さん、81歳、初段。

「10年位前からきていますが、去年、三軒茶屋の碁会所が閉鎖され、今ではここに、週3回ほどきています。
 江澤先生の“月曜教室”にも通っています。
 先生、教え方が上手ですね」
「たとえば?」
「先生、学生の頃は弱かったそうです。
 ご自分の失敗した手順などを並べてくれるので、スーッと頭に入ります」

「碁会所にきて、コロナは気にならないですか?」
「食事をする訳でもなく、指で喋っているだけですから、私は気になりません」

――お客さんや室内の雰囲気、居心地が良いです
  江澤さんのコーヒー、相変わらず美味しい
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午後3時。
お客さんが3、4人続けて入ってきます。

江澤さんの動きは、”客のマッチング”、マスク着用の声掛け、注文されたコーヒーの配膳など流れるようです。

――どう見ても、彼、楽しんでいます

正月の碁会所、よく見させて頂きました。


関連ブログ(大人の囲碁教室)
http://igo94.blog.jp/archives/55273.html

下北沢囲碁会館
東京都世田谷区北沢5-36-16-2A
03-3413-4865