東日本大震災からの復興への願いを込めて始まった囲碁まつりがあります。
名称は「碁石海岸で囲碁まつり」
碁石海岸は、岩手県大船渡市にある名勝地の海岸です。
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写真:碁石海岸で囲碁まつり実行委員会 第1回囲碁まつり、いわて親善大使・謝依旻(シェイ・イミン)女流ほか多数のプロ棋士が参加しての指導碁風景。

今年で4年目の囲碁まつりが、5月中旬、碁石海岸で開催されました。
5月14日は、大船渡市では「ゴイシ」の日です。

第一回目から参加している日本棋院・信田成仁六段によると、首都圏ほか台湾から2泊3日の日程に囲碁関係者、及び囲碁ファンが多数参加し、地元市民との交流を楽しんでいたとのこと。

メニューは豊富で、
前夜祭をはじめ、指導碁、初心者教室、日台盲学校囲碁大会、ペア碁、トークショウ、コンサートのほか、地元民への健康相談、南東北大学生たちによる地元小学生への一日家庭教師や進路相談。
去年は市内の神社への「石の碁盤」の奉納などなど、盛りだくさんです。
地元新聞社では毎年報道され、NHKも取材しているようです。

囲碁まつりの発端は、
横浜市在住の木谷正道さんが東日本大震災の被災地を訪れ、地元の方と交流を持ったこと。
地元の方とのミーティングを通して、実行委員会が大船渡市を訪問し、各関係先に囲碁祭りによる地域復興案を提案します。

大船渡の市報によると、
実行委員会の趣旨が理解され、2015年4月、「囲碁のまち大船渡による復興と振興の請願署名」には、市民3万8千人中、1万1千人の署名が集まりました。

市内全人口の約3分の1の署名が集まったことに、観光地の知名度向上や地域復興への市民の強い渇望を感じます。

注目したいのは、今までの囲碁祭りに、東北大及び福島大、岩手大の学生たちの組織的に運営されたボランティア活動に高い評価が寄せられていること。
今後の地域復興に、この地元学生たちの社会活動への参加が期待されます。