東日本大震災で、宮城県・気仙沼市も大きく被災しました。
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被災地跡のプレハブ碁会所

気仙沼の菅原勢一さんと、朝一番の電話連絡を取ります。
「石巻から、海岸線をくるんですか?
 海岸線を走っていると、気が滅入りますよ。では、気をつけて運転してください」

レンタカーで走った海岸線は、ひどいものでした。
被害のすごさにも驚きましたが、所々にある仮設住宅のたたずまいは、見るのもつらく、だんだん気が滅入ります。

菅原さんとの待ち合わせ場所は、気仙沼の被災地跡にある仮設の碁会所。
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6畳の碁会所

日本で一番小さな碁会所、6畳間です。
この碁会所を、ローカルマスコミが応援を込め多数発信しました。

菅原さん、
震災4ケ月目に仮設碁会所のプランを練りはじめ、土地を借りてプレハブ小屋を建て、碁盤を調達します。

そして震災6ヵ月後、気仙沼仮設囲碁サロンを開店します。

「気仙沼は、私の生まれ育ったところです。
私自身、碁が大好きですから、皆さんにも楽しんでもらいたくて、碁会所小屋を作りました。

開店後、碁を打ちにくるのは震災前の碁会所の顔ぶれ。
「半年振りに碁を打つよと、皆さんに喜んでもらえました」

しかし、次第にお客の足が遠のきます。

碁を打つ気になれない・・・
周りの目が気になる・・・

菅原さん自身も、席亭ばかりしていられない状況になり、1年後に閉店します。

2年経っても、重くのしかかる閉塞感。

たとえ閉店したとはいえ、菅原さんの心意気に拍手を送ります。