2年前、異様な集団を見ました。

新宿囲碁センター、土曜の夜――
三々五々、お客さんが黙々と入ってきて、互いにあいさつもせず、碁を打ちはじめました。
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研究会風景

その数、ざっと20名ほど。
席を広く取り、パチッ、パチッという石音。カタッ、カタッという時計を押す音のみ。

受付近くの私たち6名。
「そんなところに打つの?」、「いいの? そこで!」と、非常にうるさいのに、向こうは終始無言。

次第に居心地が悪くなり、近くの居酒屋に退散しました。
「なに、あの集まりは? 誰もしゃべらないね。」

ずっと気になっていたので、この度、取材させていただきました。

 曽我部会です。
主催者は曽我部敏行さん、参加者は24名。

発足して9年、囲碁の研鑽のため、月に一度集っているとのこと。
24名が、成績順に3組に分かれ、8名ずつのリーグ戦。
一期ごとに、成績順に上下2名が入れ替わります。

顔ぶれは会社経営者、会社員、主婦、インストラクター、学生など多様です。

曽我部さんとは酒席でご一緒させて頂いきましたが、とても謙虚な方です。
「会のこと? 滝沢さんに訊いて下さい。何でも知っていますから。」
滝沢さん、
「そんなの、見た通りのことを書いてくださいよ。」
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アマ名人戦記事

――じゃあ仕方ない、メンバーの山守真紀さんに訊こう。
彼女、“全日本女子学生本因坊”のタイトルホルダー。
「曽我部さんの人柄で、会が存続していると思いますネ。
 私たちには、棋力向上のいい機会でありがたい場です。」

最近、曽我部さんの紹介記事が新聞に出ていました。
第7回朝日アマ囲碁名人戦全国大会の埼玉県代表。
記事を抜粋しますと、
“曽我部敏行、54歳、会社員、十傑戦には東京代表として出ていた、厚い碁を好む。”

曽我部さん、駒澤大学囲碁部の出身。
後輩の話では、いつも部活のことを心配してくれている面倒見のいい先輩です。

後輩の皆さん、がんばってください。