大矢浩一・日本棋院九段が、溝ノ口囲碁センター(川崎市高津区)で棋聖戦解説会を行いました。
棋聖戦解説会は、読売新聞社と日本棋院による囲碁普及事業の一つで、各地の碁会所にプロ棋士を派遣しています。
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大矢浩一九段

大矢浩一九段、昭和41年、東京都月島生まれ。小林光一名誉棋聖門下。王座戦・本因坊戦リーグ入り。

大矢九段が碁会所に現れると、子供たちが、「あっ 大矢浩一だ」と嬉しそうでした。

棋聖戦第6局、井山裕太棋聖対河野臨九段。河野九段、大矢九段の弟弟子です。
大矢九段の解説会、素晴らしかったです。

「棋譜の詳しい解説はすでに何回もされているので、今日は、もっと基本的なことをお話ししようと思います」

はじめの15分間、基本的な囲碁の心得。
  1.大きい所を打つ
  2.手を抜く
  3.働きすぎず、次に行く
例題を出しながら、ゆっくり、何度も説明していました。

棋譜解説に入り、
「なぜ、ここに打ったのでしょうか! 先ほど説明したね。そう、皆さん、もうお分かりですね」

有段者用の解説もありました。
右辺が一段落しているように見えます。
「さて、黒は、次どこに打ちますか?」
「下辺!」
「そう、こんなに広く空いてますよね。でも、右辺のヨセが大きいんです」

出と入りの図を作り、比較計算すると14目。かつ、逆ヨセなので28目の価値。
「いくら大場が空いてても、28目に匹敵するところはありませんね」
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例題問題に、子供たちが熱心に答えている

棋譜解説会が終わっても、大矢九段、改めて、67手目に関連した新たな例題をだし、先手・後手の意味を時間をかけて説明します

今日の解説会、致せり尽くせりです。
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指導碁風景

指導碁は、級位者を優先したので有段者が3名ほど打てませんでした。

「のどが渇きましたね」を合図に、懇親会。
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懇親会 

大矢九段を囲んで、山守真紀アマ棋士も参加し楽しい時間でした。
用意された碁盤で、もう一度手直しをしたり、いろいろな質問に答えたり、大矢九段、大サービスです。

――プロ棋士との懇親会で、普通、こういうことあり得ません

加藤正席主談
大矢浩一九段、多摩川を渡って、こんな田舎にまでご足労いただきありがとうございました。