なぜ、NHK囲碁の解説者は、『黒(白)が何目半勝っている』とハッキリ言わないのか、ずーっと不思議で、不満でした。
「顔色を見て、どちらが良いと思う?」と、はぐらかしたり・・・

その疑問が、最近のNHK囲碁解説を聞いていて解けました。

解説者は、元棋聖の日本棋院・K九段。
進行役の女子プロと話しながら――

「昔、先輩たちが計算ができないって言うんで、なぜ算数ができないのか、と思っていたんですよ。
 だって、二つ数えて引くだけでしょ」
「そうですね」

「今、計算ができなくなるんですよ。
 やっぱ、40位から怪しいね。今は相当怪しい」

「なぜ計算ができないのかが分からないんですけど、ひとつは根気がないんだよね」
「数えるのに根気が(笑)」
「毎度間違えるのなら心配はないんですよ。
 それが、たまに当たるんですよ」

「テレビの解説って、言って外れるとカッコ悪いでしょ。
 だから、なるべく計算の事は言いたくないんすよ、正直ね。
 でも言わないとまずいでしょ。
 だから一所懸命数えるんですけど・・・」

終局は、お二人の計算通り、白の半目勝ちでした。

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